親が連帯債務者の場合、相続人は連帯債務を負う?

Q.亡くなった親が知人のローンの連帯債務者になっていました。

 この場合、相続人が連帯債務を引き継がなければならないのですか?

 

 

A.ローンの連帯債務者が亡くなった場合の相続人の取るべき手順は、以下のように整理されます。

 

連帯債務者は、本来の債務者がローンの返済を怠った際に、債権者からの支払い要求を受ける役割を持っています。質問の状況では、連帯債務者の死亡時にまだ債権者からの支払い要求がなされていなければ、相続人には支払いの義務が生じません。

しかし、死亡時に既に支払い要求が出されていた場合、相続人が相続を受け入れると支払い義務が発生します。

このような義務から逃れるためには、次のステップが必要です。

 

1. 相続の開始

   連帯債務者(親)の死により、相続人の特定と相続財産の評価が行われます。

2. 相続財産の確認

   上記の手続きが完了すると、相続人と相続財産が明確になり、相続の承認や放棄の判断が求められます。

3. 相続の放棄または限定承認

   もし相続財産の負債(このケースでは連帯債務)が資産を上回る場合、相続の放棄が必要になることがあります。相続を放棄すると、負債だけでなく資産の受け取りも放棄することになり、故人の財産を何も引き継げなくなる可能性があります。

一方、資産が負債を上回る場合は、限定承認を選択して超過分の資産のみを受け取ることができます。

 

これらの決定や手続きは、故人の死亡日またはその事実を知った日から3ヶ月以内に裁判所への申立てを行う必要がありますので、注意が必要です。